オプジーボの現状を正確に伝えたい
今日のニュースでは、オプジーボが功を奏した方の声が大きく取り上げられています。
このことが、「免疫療法」と冠し、科学的根拠の裏付けがない療法や、オプジーボを不正に低用量で投与し多額の医療費を請求しているクリニックへ、藁をもすがる思いの患者家族が飛び込んでしまうことを加速させてしまうのではないかと懸念しています。
オプジーボが功を奏する方がいるのは事実ですが、その割合は低く、なぜ効かないのかを研究することから、さらなる解明に結びつけようとしているのが現状です。
投与に付随しての疾病等報告は、一部、重篤なものがあることも、きちんと伝えていく必要を感じています。
希望の会は、「知ることは力になる」をモットーに、毎月セミナーを開いています。
そこでは、病気の厳しさも、治療がどのような臨床試験を経て、標準治療になっていくのかなども、先生方にお話していただいています。
内容は厳しいものにもなりますが、セミナー終了後に寄せられる感想は
「病気の現実、治療への研究を知ったことで、やっと、標準治療が理解でき、この状況で、食事を変えても、サプリメントを飲むことが治癒にはつながらないことや、まるでお金をかければ命が助かるかのように患者家族を惑わせてしまうクリニックがあるのだということが納得できました」という内容がほとんどなのです。
本日、毎月開催している胃がんセミナーの12月の打合せを以前より予定していました。
オプジーボのある一面のみがクローズアップされていることの危うさを、医療の現場も感じ、セミナーに託した思いを取材することを、病院側も快諾し、協力してくださいました。
知りたいという強い思いでの研究が、がん治療の新たな道を開いたのであり、
だからこそ、表面的なことではなく、現時点での限界、挑戦の過渡期であることを
伝えていくことが、本庶先生の開いた道を未来につなげることだと思います。