希望の会の設立にあたって

特定非営利活動法人 希望の会 前理事長 轟 哲也 理事長  轟 浩美

全胃癌に占めるスキルス性胃癌の割合は10%程度と言われており、患者の絶対数が多くありません。そのためか、スキルス性胃癌に関する書籍はほとんどなく、インターネット上を検索しても、スキルス性胃癌に関する情報はほとんど見あたりません。現在、スキルス性胃癌の患者や家族が、治療などに関する適切な情報を得て、自ら納得した治療法を選択することは極めて困難な状況にあります。 そこで、私はスキルス性胃癌に特化した任意団体「希望の会」を創り、インターネットを利用して患者や家族が情報を交換、共有する場を提供してきました。また、「希望の会」会員の交流会を開催し、実際に患者や家族が集まって懇談することによって、互いに励まし合うことができるようになりました。 実体験に勝る情報はありません。お互いの情報が選択肢を広げ、可能性を広げていくのを感じています。「希望の会」を創らなかったら知りえなかった明るい情報にも出会えています。 任意団体でスタートした本会ですが、活動に共感してくださる方々の声を受けて特定非営利活動法人化をめざし、2015年3月に東京都より認証されました。 まだまだ、孤独な気持ちでスキルス性胃癌と向き合っている方が、世の中には大勢いるのではないかと思います。 今後は、「希望の会」で集約した情報を、さらに拡充・整理し、発信することによって患者や家族の方々を支えていくと共に、癌の予防や早期発見に対する啓蒙活動を行い、広くみなさまの健康増進に役立てていきたいと思っています。 どうぞご理解、ご支援のほどを、心よりお願い申し上げます。